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2021年05月01日

2021年度 九州大学二次試験講評《生物》

試験時間は例年通り理科2科目で150分。大問数も例年通り5題であった。論述問題の総文字数は2020年度の540字に比べ、710字と大幅に増加した。制限字数については60字以内が最大で、2018年、2019年で出題されたような100字を超える問題は出題されなかった。難度の高い考察問題や計算問題は大幅に減少したため、全体の難易度としては易化したといえる。

大問1は『植物の環境応答』に関する問題で、光受容体、気孔の開閉、光発芽種子について出題された。問4のどのような実験を行えばよいかを考察する問題以外は基本的な問題であった。

大問2は『恒常性』に関する問題で、ヒトのホルモンや血糖値の調節について出題された。糖尿病Ⅰ型とⅡ型を説明する論述問題があり、その違いを確実に理解しているかどうかで得点差が生じたと思われる。いずれも基本的な内容であり、全体的には得点しやすい問題であった。

大問3は『動物の発生』に関する問題で、胚発生、外胚葉の分化などについて出題された。ノギンやコーディンの作用やBMPの機能を理解している必要があり、難度はやや高めだといえる。

大問4は『遺伝子の発現』に関する問題で、染色体の構造、スプライシング、遺伝子発現の調節について出題された。問4で図を用いた考察問題が出題されたが、それほど難しい内容ではなかった。

大問5は『生物の相互作用』に関する問題であった。外来生物についても問われた。論述問題が5問出題されたが字数は少なく、いずれも標準的な内容であった。

九州大学の生物は、問題数は多いが標準的な内容も多いので、典型問題を多く扱った問題集を使ってしっかりと演習をしておくことが必須である。また、論述問題も多く出題されるため、30~80字程度の論述問題の練習を行っておきたい。薬学部志望者など高得点を目標とする受験生は、教科書では扱っていない内容が出題されることもあるので、頻出単元である遺伝子、免疫、反応と調節、進化については図説などを用いてすみずみまで押さえておくことも重要である。





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