鷗州塾 中学部[大阪]2021

単純暗記に終始することなく、自ら考える力を養います。「頑張ればできるようになる」という自信と「学ぶ楽しさ」を知り、勉強そのものを好きになってもらいたい、そして「学ぶ楽しさ」を知ることによって「やる気」になり、自発的に勉強する生徒になってほしいと考えています。自ら学ぶ姿勢は、一生の財産になります。

大阪府高校入試Q&A

受験生や保護者の方々からよくいただく質問・疑問にお答えします!

Q1.「自己申告書とは何ですか?合否に関係ありますか?」

自己申告書とは、公立高校入試受験時に、すべての受験生に提出が求められる作文のようなものです。
自己申告書は、主に「各高校のアドミッションポリシーに合致しているか」という観点で読まれ、入試結果でボーダーゾーンに位置する生徒にとっては合否に大きくかかわります。

そのため、自信を持って仕上げたものをぜひ提出していただきたいと鷗州塾では考えています。
中学校の先生が添削してくださることが多いですが、もちろん鷗州塾でも書き方をアドバイスします!
ポイントは読みやすい文であることはもちろん、具体的で、熱意のあふれる文を作成することです!
文理学科合格者に対し、実際に添削したものを紹介します。ぜひ参考にされてください。

自己申告書 例文

私は読書が好きで、中学校では図書委員長と図書部長を兼任させていただきました。その経験の中で学んだことが3つあります。
まず1つ目は、周りの意見を認めることの大切さです。リーダーには、全体をまとめるという仕事があります。しかし、部員や委員会の役員たちはそれぞれ異なった意見を持っています。どう話を進めようかと悩んでいたときに、まずは仲間たちの性格や長所短所を把握することが大切だということに気づきました。無理にまとめようと最初から相手を否定してしまっては、まとまるものもまとまりません。こうして周りに気を配ることを意識し始めてからは、仲間たち一人ひとりの意見を認めることができました。相手を知り、その良さに気づくことができれば、全体の意見をまとめることは決して難しいことではありませんでした。
2つ目は、目標を最後までやり遂げることの大切さです。委員長と部長という2つの仕事を兼任することは、簡単なことではありません。その中で最も重要な仕事は校内冊子の作成でした。期日に間に合わせるために、数週間前から役員の生徒全員が準備を始めます。リーダーとして私も、作業工程を全体の前で説明することはもちろん、それらがうまく理解できていない後輩の補助や、円滑な作業を乱している仲間の指導のために、積極的に発言する必要がありました。これらは大変な役割で、辞めたいと思ったこともあります。しかし、自ら立候補してこの2つの仕事に就いたので、自分の意思で始めたことは必ず最後までやり遂げなければならないという強い気持ちで臨んできました。最後まで責任を持ってやり遂げることができたときの達成感は、何ものにも代えがたいものでした。
そして3つ目は、広い視野を持つことの大切さです。私は幼い頃から多くの本を読んできました。今でも本は大好きで、様々な分野の本を読むように努めています。単なる娯楽小説に見えても、現代とは違う時代を舞台にしたものもあれば、日本から遠く離れた海外を舞台にしたものもあります。それらを読む中で、自分が現在触れている世界の狭さを強く感じるとともに、自分では予想もつかない考え方が世の中にはある、ということを知りました。そして、これを知ることで自らの考えを改めることもできました。私には兄がおりますが、小さい頃から常に比較され、それが苦痛で家族に反発する時期もありました。しかし、本から学んだ広い視野によって、今では自分の置かれた環境のありがたさを理解し、家族への感謝と兄への尊敬の心を持つことができています。
私が貴校に進学したら、高い学習環境の中で努力し、自らが納得して進むべき道を見つけたいと考えています。私は出版関係の仕事に携わりたいという憧れを抱いていますが、今はまだはっきりとした進路は描けていません。ただ、出版関係の仕事に就くためには、学力を身につけ難関大学に進学することや、幅広い知識を身につけ教養ある人間となることが必要だと感じています。そのためにも、中学で学んだ3つのことを土台として、貴校の特色である●●を存分に活かし、自らの目標としている●●大学への進学を目指します。また、数多く開催される研修・実習に積極的に参加する中で、様々な物の見方・考え方を学び、より広い視野で物事を捉えられる人間へと成長してみせます。そうして将来は出版関係の仕事を通じて、社会に貢献する人間になりたいと考えています。

Q2.「通知表の5段階の数字は、国語・社会・数学・理科・英語の5教科が特に大切なのですよね?」

いいえ、9教科すべて平等に大事です!

入試科目に入っていない分、実技教科の方が重視されていた時期もありましたが、現在の入試制度では9教科すべて平等の数値として計算します。
まず入試で必要となる「調査書の評定」とは国語・社会・数学・理科・音楽・美術・保健体育・技術家庭科・英語の通知表の1~5までの5段階の数字を合計したものです。
例として、3月に行われる一般選抜についての計算方法を示します。


このように9教科合計450点満点で点数を算出した後に、各高校ごとに指定するタイプによって得点率を掛けます。
例)春日丘高校…タイプⅠ(学力検査1.4倍・通知表の評定0.6倍)、北千里高校…タイプⅡ(学力検査1.2倍・通知表の評定0.8倍)
タイプによって、本番の学力検査重視であったり、評定重視であったりと、高校ごとの特色があるのでしっかりと確認しましょう。
また中1・中2時の評定も入試で使われるので、中1時から定期テストで高得点を目指し、全9教科で良い評定を取っておくほど、入試本番での余裕が生まれます。

志望校が決まってから悔やむことのないように、日ごろからの準備が大切です。
鷗州塾では定期テスト前に無料の対策授業も開催し、万全の構えを取っていますのでご安心ください。

Q3.「英語の入試問題がすべて英文になったと聞きましたが本当ですか?」

本当です!が、実はそのような形式に変わったのは「英語C問題」だけです。

まず、公立高校の入試科目は「英語・数学・国語・理科・社会」の5科目で、一般入学者選抜では各90点満点の計450点満点です。
大阪府公立高校入試の特徴として、英語・数学・国語はA(基礎的問題)・B(標準的問題)・C(発展的問題)の3種類があります。(社会・理科は全高校同一問題)
どの種類の問題が使われるかは、各高校によりそれぞれ決定されます。
例)北野高校…英語C・数学C・国語C、池田高校…英語C・数学B・国語Cなど


種類 国語 数学 英語
A
(基礎的問題)
基礎的な内容の文章を正確に理解する力を問う問題や、国語に関する基礎的な知識を問う問題を中心に出題する。 基礎的な計算問題を出題するとともに、「数と式」「関数」「図形」「資料の活用」の基礎的な事項についての理解を問う問題を中心に出題する。 基礎的な語彙・文法の理解を問う問題とともに、基礎的な内容の英文を読み取る力を問う問題を中心に出題する。
B
(標準的問題)
基礎的・標準的な内容の文章を正確に理解する力を問う問題を中心に、問われたことがらについて適切に表現する力を問う問題をあわせて出題する。 「数と式」「関数」「図形」「資料の活用」の基礎的・標準的な事項についての理解を問う問題を中心に出題する。 基礎的な語彙・文法についての理解を問うたうえで、基礎的・標準的な内容の英文を読み取る力を問う問題を中心に出題する。
C
(発展的問題)
標準的・発展的な内容の文章を正確に理解する力を問う問題とともに、問われたことがらについて適切に表現する力を問う問題を中心に出題する。 「数と式」「関数」「図形」「資料の活用」の標準的・発展的な事項について、数学的に処理し判断する力を問う問題を中心に出題する。 標準的・発展的な内容の英文の中から、話題や論理の流れに沿って必要な情報を素早く読み取る力を問う問題とともに、一定量以上のまとまりのある内容を英文で適切に表現する力を問う問題を中心に出題する。

C問題の問題文は、指示文を含め、すべて英語で構成する。
A・B問題のリスニングテストについては、同一問題とする。なお、自然な口調で話された英語からその具体的な内容や必要な情報を聞き取る力を問う問題を中心に出題する。
C問題におけるリスニングテストの配点は約33%(3分の1)とする。なお、自然な口調で話された英語からその具体的な内容や必要な情報を聞き取る力を問う問題とともに、「読む・聞く・書く」技能を統合的に活用する力を問う問題を出題する。

以下に、C問題の特徴を簡単に記載します。

【国語C問題】
例年、論説文・説明文・古典・漢字の書き取りが出題されます。
文章内容説明の記述や300字程度の作文も毎年あり、記述力が問われます。
【数学C問題】
昨年度は小問集合・平面図形・空間図形が出題され、全国的に見ても難易度は高いです。
計算のスピード・正確さはもちろん、図形への柔軟な対応力が必要です。
【英語C問題】
近年の変更で、注釈を除いたすべての表記が英語になり、問題数が大幅に増加しました。
英作文以外はすべて選択問題であるため、大量の英文を素早く処理できる読解力と語彙力が重要です。

英語C問題の攻略ポイントは、まず語彙力を身につけ、その上で長文読解演習を繰り返すことです。
そのため、鷗州塾では大阪府教育委員会から発表されている英単語集を編集した教材を用いて語彙力強化を図っています。
その上で、学校よりも大幅な先取り授業を実現させることで、十分な時間を長文読解演習に充てられるカリキュラムをご用意しています。

Q4.「社会や理科が苦手なのですが、どういった内容が出題されるのですか?」

国語・数学・英語の問題は、高校ごとにA・B・Cの3種類に分かれていますが、社会・理科はどの高校でも同じ問題が使われます。
そのため難易度も決して高くはなく、得意な人は満点も目指せますが、きちんと点数を取らないと差がつけられてしまう科目とも言えます。

以下に、社会・理科の特徴を簡単に記載します。詳細は各校舎の担当や保護者会で配布される資料等をご確認ください。

【社会】
近年は、地理が約2~3割、歴史・公民がそれぞれ約3~4割ずつの出題割合であることが多いです。
地理・歴史は中1時からコツコツと知識を貯めておく必要がありますが、単純な用語暗記だけでは対応できない問題も出題されています。
「グラフ・地図の読み取り問題」「出来事の時代順並べ替え問題」「○世紀のようすを選ぶ問題」などの形式で出題されるのは大きな特徴といえます。
【理科】
生物・地学・化学・物理分野からまんべんなく出題されています。
計算問題が年々増加・難化の傾向にあり、十分な練習が必要です。
また、観察や実験結果について考察が必要な問題が増え、解くスピードもこれまで以上のものが求められています。

鷗州塾では、中1・中2時から、社会・理科の暗記を徹底的に学習できるイベントを多数ご用意しています。
「暗記会」や「“猛特訓”会」、そして中3時には「大的中ゼミ」や「大晦日理社暗記会」で効率良く学習を進められる体制を整えています。

Q5.「私立高校についての対策も大丈夫ですか?」

もちろん、お任せください!
公立入試と私立入試では、細かい部分ではもちろん異なりますが、学校や塾での勉強内容をしっかり積み重ねていれば、公立・私立どちらの対策にもなります。
秋~冬ごろから私立入試の過去問を解き、傾向に慣れ、時間配分を考えていくと良いでしょう。
以下に私立高校入試の特徴を記載いたしますので、ぜひ参考にされてください。

●私立入試の試験

例年、2月10日前後から始まります。私立高校は同一日に入試が行われるため、複数校受験することはできません(1次募集以降の募集は除く)。
公立高校入試よりも約1か月早いです。
試験内容は、高校・学科・コースなどによって異なります。
自分の関心のある高校の試験内容は早めに確認しておくと良いでしょう。

●公立入試との違い

①2つの出願方法「専願」「併願」
「専願」とは、「出願した私立校に合格したら、必ず入学する」という約束で出願することです。
合格したあとに辞退することはできません。合格でなかった場合、公立校へ出願することはできます。
「併願」の場合は、公立校の結果が出てから、入学か辞退か選べます。
一般的に、「専願」で出願するほうが、合格ラインが低く設定されています。

②調査書の評定はいらない?
私立入試の合否判定に、調査書の評定が使われるかは「各高校による」と言えます。
調査書の評定を重視するところもあれば、ほとんど加味しないところもあります。

③ぜひ「個別相談会」で相談を!
ほとんどの私立校で「個別相談会」「進路相談会」が行われます。
調査書の評定や「実力テスト」「定期テスト」「模試」などの成績を、私立校の先生に直接見ていただいたうえで、合格可能性などについてお話をいただけます。
興味のある高校の相談会はぜひ参加してみてください。

●私立入試の特徴「回し合格」

2つ以上の学科やコースを設けている私立入試でよく使われる「回し合格」というシステムは、しっかりと理解して入試に臨んでいただきたいと思います。
例えば、ある高校でAコース(偏差値60)とBコース(偏差値50)が設置されているとします。
お子様が受験した際に仮に300点を得点し、Aコースの合格点は350点、Bコースの合格点が250点だったとしましょう。
この場合、当然Aコースには合格できませんが、Bコースで合格という扱いを受けるケースが良く見られます。
このようなシステムが「回し合格」と呼ばれるものです。
このシステムに関しては、各高校ごとに、さまざまな手法がとられています。
例えば、「Aコースを専願受験したがBコースに合格」となった場合、Bコースでも同様に専願扱いとなる高校がほとんどですが、「Bコースならば公立を受けたいので併願扱いにしてほしい」という希望を受け入れる高校も中にはあります。
受験校のシステムをよく確認しておくことが大切です。

参考
大阪府教育委員会 公立高等学校入学者選抜ページhttp://www.pref.osaka.lg.jp/kotogakko/gakuji-g3/
大阪進研『高校受験ガイドブック』