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2021年05月01日

2021年度 大阪市立大学二次試験講評《英語》

試験時間は100分と例年通りであり、読解総合問題2題と英作文1題、読解空所補充問題1題という構成であった。全体の分量は昨年度よりも約230語増加した。難易度は、下線部説明問題が1問増えたが、代わりに昨年まで出題されていた内容一致問題が今年は出題されなかった。難易度は全体としては昨年並み。

大問1(配点30点)は新型コロナウイルス(COVID-19)パンデミックとマスクの着用について述べられた文章で、まさにタイムリーな話題であった。英文に専門的な内容も含まれているため、受験生にとっては難しい英単語や英語表現も散見された。出題形式としては、下線部説明・下線部和訳・語句整序問題・空所補充問題(択一および記述)とバラエティに富んだ出題がなされた。問5の英文和訳問題ではprojected deathsやfatality numbersといった、知識がなければ正しい和訳が難しかったものもあった。

大問2(配点30点)は言語が思考に及ぼす影響について述べた問題で、標準的な難易度であった。英文の全体像は把握しやすいものであったが、設問の一部に正解が複数考えられるものがあったので、どのように答えるべきか悩んでしまった受験生もいたかもしれない。問1の英文和訳問題ではact as a hook以下が比喩表現だったので、解答の際に、直訳のままでいいのか、文脈に合わせて意訳した方がいいのか悩んだ受験生もいたのではないだろうか。

大問3(配点20点)は下線部英訳問題で、こなれた日本語の表現の英訳に工夫が必要であったため、難易度が若干上がったと思われる。ただ、例文の暗唱などを通じて、文法ミスのない英文を書く練習をしてきた受験生にとっては安定して得点できる問題であっただろう。(1)の「自分自身を問われる」や(2)の「何かをちゃんと壊せただろうか」のように、日本語表現に近い英語の言い回しを見つけ出すいわゆる「和文和訳」の必要が一部あったので、この部分で得点差が出たと思われる。

大問4(配点20点)は、小説問題で標準レベルの問題で、例年通り全問空所補充問題であった。基本的な英単語や英熟語の知識があれば正答にたどり着ける。空所に入る品詞を特定し、選択肢を絞った後で意味の通る選択肢を選んだり、分かりやすいものから先に当てはめていったりするという戦術で解くことが可能である。

読解問題ではこの大学の過去問演習だけでなく、問題形式の似ている国立大学の過去問(神戸大・兵庫県立大など)も積極的に解いて、記述力の幅を広げていきたいところである。長文にはそれぞれ空所補充問題があるので、共通テスト対策を兼ねて熟語やイディオムの強化にも取り組みたい。もし関関同立大を併願するならば、各大学の語彙に関する問題が類似しているので、積極的に過去問演習に取り組めば相乗効果が期待出来る。

英作文は基本的な構文が書けることが必須だが、日本語のままだと英語にしにくい表現(例えば2016年度では「風邪が通過する」、2014年度では「言い得て妙」といったようなもの)を訳出する訓練も日ごろからやっておきたい。ここ10年以上は全体の問題形式に大きな変化はないが、以前には要約問題や正誤問題なども出題されていたため、過去問の枠にとらわれず、幅広く記述問題に接していこう。





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