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2021年05月01日

2021年度 神戸大学二次試験講評《英語》

試験時間は80分と例年通りであったが、昨年度の読解総合問題3題(ⅠとⅢに英作文を含む)から一昨年までの読解問題+英作文1題という従来の形に戻った。昨年度と比べると、全体の分量は昨年度の約1880wordsから今年度は約1690wordsへとかなり減少した。例年の平均が約1600wordsであることを考えると、例年に戻ったと言える。難易度としては、全体の分量がかなり減った分、易化したと言えるであろう。

ただ、神戸大学の英語については、80分という試験時間に対して、大問数やその分量が多い上に、出題に条件英作文や自由英作文まであるため、かなり手際良く解答していかなければならない。

大問Ⅰは標準的な論説文で、下線部和訳、下線部内容説明、空所補充選択といった様々な形式の総合問題であった。問2の下線部the studyの「目的」と「方法」を「具体的に」「35字以内の日本語」で説明する問題は、制限字数が少ないため、まとめるのが難しいと感じた受験生も多いのではないかと思われる。

大問Ⅱも標準的な論説文で、同意語句選択、内容説明、空所補充、内容一致、下線部和訳が出題された。問1(b)のelicit「引き出す」はやや難しいが、前後関係から意味を類推することは可能であろう。問4のtriggeredやinterventionsの訳出には注意が必要であった。

大問Ⅲは会話文で、下線部和訳、下線部内容説明、同意語句選択、内容一致が出題された。このような議論という形式での出題は神戸大学では初めてのことであった。問1の下線部和訳では、分詞構文のremaking and disrupting a wide range of industriesの部分は、工夫した和訳が必要であった。問2の下線部説明問題においては大問Ⅰ問2と同様制限字数が厳しかったため、解答するのに苦労した受験生もいると思われる。

大問Ⅳは条件英作文と自由英作文の2題出題された。海外留学をする日本人学生の減少は「内向き志向」という日本人の性格に起因するという内容の英文を読ませて「内向き志向の例」と「英文の内容に対する自分の意見」を書かせる問題であった。語数指定はそれほど長くはなかったため、自分の書いた英文の内容のつながりが論理的で、まとまりのある英文になっているかどうかを意識して書く必要があった。

近年、入試英語で「速読」という言葉が盛んに語られているが、「速読」とは決して本文を速く読むことではない。本文の理解から解答作成までにかかる時間をいかに縮められるかが重要であり、近年の神戸大学の問題は、その力が試される出題がなされている。合格するためには、日ごろから解答作成に至るまでの時間配分を意識した練習が必要となる。

また、英作文の対策としては、与えられたテーマを明確に、シンプルな英語で、間違いなく書く英語力が必要不可欠である。いずれにせよ、そうした英作文能力は入試の1~2か月前からでは習得が難しいため、年間を通して計画的に学習することをおすすめしたい。





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