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2021年05月01日

2021年度 大阪大学二次試験講評《英語》

試験時間は学部により異なり、文学部は105分、外国語学部は120分、その他はすべて90分。

大問Ⅰ(A)は、食事と人との結束について論じられた文であった。述べられている内容は難解ではなかった。adept「熟達した」は難解な英単語ではあるが前後関係から推測可能であった。全体の内容が難解ではなかった分、どれだけ自然な訳出ができたかどうかがポイントである。

(B)は、単語の持つ音などの物理的特性と意味との間に意味のある関係性がないことを論じた文であった。難しい文構造もなく、(A)と同様に自然な日本語で表現できるかどうかで差がついたであろう。

大問Ⅱは、全学部とも昨年度より語数が若干減った。出題形式については、外国語学部以外では、クジラの鳴き声が近年低い音域に向かっている原因についての考察を論じた文章だった。今年度は昨年度までの下線部和訳が姿を消した。さらに、記述問題は25字以内の説明問題が2題出題されるのみにとどまり、設問数も減少した。

外国語学部では、書くことが話すこととどう異なるのか、そして各スタイルにはどのようなものがあるのかを論じた文章だった。難易度は昨年度並で、例年通りすべて記述式問題であった。articulateやvantage pointなど難解な英単語や語句も散見された。

とりわけ外国語学部志望者は、ただ単に速く英文が読めるだけではなく、一度で読解しながら、なおかつ同時に内容を理解する能力は必須である。

また、外国語学部以外では本文内容合致問題、外国語学部では要約的様相を呈した問題が出題されていることが多いことから、全ての学部において、文章全体の内容をまとめる要約の練習は必須であると考えられる。

大問Ⅲの自由英作文は、ここ数年の形式通りであった。今年度は、行き詰った時の打開策を70語前後の英語で表現するというものであった。状況設定がかなり限られていたので、日常的な体験を踏まえつつ端的に英語でまとめ上げる力を要した。

一つ一つの文を、構文などを積極的に使用しながら効率よく表現できるかどうかも鍵であった。

大問Ⅳの和文英訳に関しては、外国語学部以外では、今年度はこなれた日本語の表現もなく、比較的書きやすかったのではないだろうか。

文学部では、「登山家にとっての表現はあくまで登山行為そのもの」や「そんなものは所詮”おまけ”」など、和文英訳の能力が高くなければ困難な言い回しが出題された。

文学部以外では、「公共の福祉」や「翻意させる」など、受験生が英訳しにくいと感じるものもあったかもしれないが、全体的には英訳しやすかったのではないだろうか。

外国語学部では、「合理的に」「合理性」などキーワードとなるものや、「補完的」という英単語が思いつかなければ書きにくかったであろう。さらに、「合理性の塊」という日本語の表現は文脈に即して読み換える必要があった。

最後に、大問Ⅴの外国語学部のリスニングに関しては、昨年と比較すると語数がやや減少したものの、例年になく難解で、受験生にはなじみのない英単語や語彙が散見された。





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