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2021年05月01日

2021年度 東京大学二次試験講評《地理》

試験時間は、地歴2科目で150分。大問3題。論述問題中心であり、選択問題が散りばめられている出題形式は例年通り。出題内容としては地形図の読み取り問題が今年も出題されず、5年連続して出題がなかった。分量は変化なく、難易度は標準的であった。

第1問で「地球温暖化にともなう気温と降水量の変化の予想図」が出題された。地球温暖化を扱う問題は頻出であり、過去問を含め他大学の問題にも広くあたっておきたい。北極海航路の利用と資源開発に関する考え方は近年のトレンドとなっている。太陽光など代替エネルギーの利用についても基本的知識を整理しておきたい。

第2問は「世界の言語状況や教育」に関する問題。インドではヒンディー語は公用語ではあるが、実際には準公用の英語が共通言語の役割を果たしている。東南アジアで話される中国語が北京語ではないのは地理的近さから容易に想像できると思われる。インド・韓国・マレーシアを判断する問題は、人口1万人に対する比率からみてほしい。インドは貧富の差が激しいので、大勢の人間が留学できるわけではない。

第3問は「世界と日本における女性の労働」。イスラエルの女性労働力率の高さは難しいだろう。フィリピンは女性の社会進出率が途上国の中では高い方であるが、先進国と比較されると低くなってしまう。ただし日本よりは高い。途上国では貧富の差が大きいことを理由に用いるしか解答の道筋は困難であったとみられる。日本での高度経済成長以降の出生率の年々低下は頻出パターンであった。

東大地理は例年の傾向として、テーマ自体は難しくないが、ただの暗記ではなく俯瞰的で総合的な視点が問われる。頻出テーマとして都市空間の機能としての把握、大都市圏と地方を比較した場合の特性、歴史がからむものとして高度経済成長やバブル経済などがある。教科書の該当ページは繰り返し読み、理解を深めておきたい。





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