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2021年05月01日

2021年度 東京大学二次試験講評《生物》

試験時間は、理科2科目で150分。例年大問が3題出題されるが、各大問は2~3題の独立した設問に分かれているので、実質の大問数は6~7題と思って良い。

2020年度は大問3がⅠ~Ⅲに分かれていたが、2021年度は全ての大問がⅠとⅡに分かれていたので実質全6題であった。論述問題の指定行数は2020年度の34行程度から23行程度と大幅に減少した。2020年度と比較すると考察問題や記述問題がやや難化したが、記述の分量が減少しているため、全体の難易度は2020年度と同等であったといえる。

大問1はⅠがクマムシの乾燥耐性における遺伝子の発現、Ⅱが線虫の乾燥耐性における代謝経路に関する問題であった。全体的な難易度は高くはないが、図やグラフの分量が多く、考察に時間がかかったものと予想される。

大問2のⅠは根の屈性とオーキシン輸送について、Ⅱは様々な刺激に対する植物の防御反応に関する問題であった。こちらも内容的にはそれほど難しくはないが、図や資料が非常に多く、それらの処理にかなりの時間がかかったものと思われる。

大問3のⅠはいろいろな動物の性に関して、生殖や遺伝など様々な分野からの出題、Ⅱはヒトの男女の脳機能の違いを考察する問題であった。一問一答式の問題で、いずれも標準的な難易度であったと思われる。

例年、東京大学の生物は遺伝子、タンパク質、植物の環境応答、進化に関する出題が多い。出題形式は実験考察・資料解析をもとにした記述式が主なので、過去問演習を通じて50~100字程度の論述問題を素早く簡潔にまとめる練習と、長い文章を根気強く読み進めていく練習が欠かせない。知識を使った空欄補充や論述問題は決して多くはないが、対策をおろそかにせず、確実に正解して得点と時間を稼ぎたい。





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